馬(午)に関することわざ・慣用句・格言
人間万事塞翁が馬
人生において、幸せなことが起こるか不幸なことが起こるかは、誰にも予測することは出来ないという意味です。その場の感情で安易に悲しんだり喜んだりしないほうが良いことを伝えています。
生き馬の目を抜く
「素早く利益を得る」「抜け目のない」といったポジティブな意味と、「利益を得る為に手段を選ばない」「油断も隙も無い」といったネガティブな意味を持ちます。
馬の耳に念仏
馬に念仏を聞かせたところで、理解することが出来ず無駄、大切な話や忠告を言っても聞く耳を持たなかったり理解しようとしなければ意味がないたとえ。馬耳東風、猫に小判、豚に真珠と同義。
馬には乗ってみよ人には添うてみよ
馬が良いか悪いかは乗ってみないとわからず、人の人柄は付き合ってみないと見えてきません。何事も自分で経験してみないと相手の本来の姿や、合う合わないは分からないのです。見た目や第一印象だけで判断せずに、1度接してから判断するべきであるという意味です。
老いたる馬は道を忘れず
多くの経験をしている人は正しい判断をすることができるという意味です。老いた馬は長年通って道を忘れることがなく、経験が重要であることを表しています。
尻馬に乗る
考えもなく他人の言動に同調し、軽はずみな言動をすることを意味します。人のまねをして調子に乗る姿を表すときに使われることもあります。
竹馬の友
小さいころから一緒によく遊んだ友達。幼馴染を指します。小さいころに一緒に竹馬に乗って友達と遊んだ姿から表された言葉です。
天高く馬肥ゆる秋
空が高く見え過ごしやすく、心身ともに心地よい季節(秋)を表しています。秋は空が澄み渡って高く見え、馬も過ごしやすい季節です。実りの秋ということもあり、馬たちの食欲も高まる季節でよく肥えたくましく育つことから馬が用いられています。
白馬は馬に非ず
無理に理屈をつけることを意味する言葉です。馬は動物という分類で表現しているが、白馬は色での分類をしているため、馬と白馬は概念が違うと論じられました。
馬脚を露す
芝居の中で馬の脚の演者が姿を見せてしまう様から、隠していることが明らかになってしまう・化けの皮がはがれてしまうことを表す言葉として使われるようになりました。
人を射んとせば先ず馬を射よ
大きな目的を達成するためには、最初から直接目的を果たそうとするのではなく、周りから当たり固める方が早く的確であることを表しています。
馬子にも衣装
どんな人でも、身なりを整えれば立派に見えるという意味です。馬子は馬に荷物を乗せる仕事をしているような身分の低い人を指しており、馬=孫ではありません。勘違いして使い失礼にならないよう気を付ける必要があります。
竜馬の躓き
どんなに優れた能力を持つ人でも、時には失敗してしまうことがあるという意味です。竜馬とは足の速い馬のことを言い、走る能力の高い馬でもつまずいてしまうことがあるということから使われています。
老馬の智
年老いた者は多くの経験から豊富な知識と知恵があり、学ぶべき点が多いので謙虚に意見を聞くべきであることを表した言葉です。
天馬空を行く
天馬が空をかけるように、自由で何にもとらわれない発想や行動をするという意味です。天馬とは天帝が乗る馬のことを言います。
馬が合う
気が合う・息がっピッタリである・意気投合するという意味です。馬と乗り手が呼吸がぴったり合っている姿から来ている言葉です。
毛を以て馬を相す
物事を表面上のことだけを見て判断するという意味です。毛並みだけを見て馬のよしあしを判断する姿から来た言葉です。
千軍万馬
豊富な社会経験があることを千軍万馬と言います。多くの兵士と軍馬がいる様子を表しており、戦争経験の豊富さがあらわされています。
犬馬の労
上司や目上の人の為に力を尽くすという意味です。他人の為に働くことを謙遜またはへりくだっていう時に使います。犬や馬ほどの働きをすることから来ている言葉です。
馬耳東風
人からの注意や意見に耳を傾けることをせず聞き流すことを表す言葉です。馬の耳に心地よい風が吹いても何も感じることが無い姿から使われています。
尻馬に乗る
人の意見にすぐ同調することのたとえ。
牛飲馬食
大量に飲食することを指します。牛が水を飲むように、馬が飼い葉を食べるように、たくさん飲む、食べる様子を表します。
意馬心猿
煩悩や情欲に心を奪われ、理性で抑えきれない状態を指します。
毛を見て馬を相す
毛並みだけを見て馬のよしあしを判断する意から言葉だけで人を評価してはいけないということ。
小馬の朝駆け
初めに力を入れ過ぎて早く疲れることのたとえ。
天高く馬肥ゆ
中国の故事。春草・夏草をたくさん食べた馬は秋には太って乗りこなすほど調子が良くなるという意味。食欲の秋で食が進んで太るという意味に使われる。
死馬の骨を買う
優秀な人材を集めるために能力が劣る人も大切に扱うことのたとえ。馬の骨を買うといううわさが広まれば、生きた馬ならなおさら高く買ってくれるのではないかと思う。
参考文献:日本地域社会研究所。世界の故事名言ことわざ 総解説 江川卓 他 著。本当は怖い日本のことわざ 出口汪 監修