蛇(巳)に関することわざ・慣用句・格言
蛇の道は蛇
同類の者は互いにその事情に通じているので、同類の者のする事柄は、同類の者には容易に分かるということ。
蛇に見込まれた蛙
逃げることも手向かうこともできず、体がすくんでしまうことのたとえ。恐ろしさに身がすくんで動けないこと。また、大敵にねらわれて抵抗できないこと。
蛇に噛まれて朽ち縄に怖(お)じる
《「朽縄」は、腐った縄》蛇に一度噛まれてからは腐った縄を見てもおびえる意で、一度の失敗に懲りて必要以上に用心深くなることのたとえ。
一度ひどい目にあうとそれに懲りてしまい、それと関わるものに出あったときに、必要以上に怖がること。
蛇の生殺し
一気に殺さず、半死半生の状態にして苦しめること。物事の決着をつけず、あいまいにして苦しめること。
長蛇の列
行列が長いことを蛇の長い胴体に例えたもの。
鬼か蛇か
残忍で無慈悲な人を例えるときに使う。
蛇は一寸にして人を呑む
優れた人は小さい時から人とは違ったところがあることのたとえ。 蛇は一寸ほどのときから人を呑む勢いを示す。
長蛇を逸する
惜しい獲物や大事な機会を取り逃がすこと。
竜頭蛇尾
初めは勢いがよいが、終わりは振るわないこと。
草を打って蛇を驚かす
一人の人間を懲らしめることによって、関係をもつ他の人々を戒めることをいう。また、なんの目的もなくやったことが、とんでもない結果を招くことにたとえる。
蛇心仏口
執念深く陰険な心を持ちながら、口先だけは仏のように親切であること。
常山蛇勢
統一がとれていて、欠陥やすきがまったくないこと。どこをとっても整然として、うまく組み立てられている文章や態勢のこと。また、先陣・後陣と右陣・左陣のどれもが互いに呼応して戦う陣法のこと。
斗折蛇行
斗(北斗七星)のように折れ曲がり、蛇のようにくねくねと曲がりながら進むこと。転じて、道や川などにカーブが多く、くねくねと続いていくさま。
杯中蛇影
ひとたび疑い始めると、何でもないことにも怯え、疑い深くなり、苦しむ結果になるというたとえ。また、病は気から起きるものだからあまり心配しないほうがいいということ
封豕長蛇
貪欲どんよくで残酷な人や国のたとえ。大きな豚と長い蛇の意から。封」は大きい意。「豕」は豚、いのししの意。
春蚓秋蛇
春のミミズや秋のヘビのように、字も行も、うねうねと曲がりくねっていること。字がへたなことのたとえ。
蛇、竹によじ登り、百足(むかで)地に転ぶ
物事には反対のことがよくある
蛇になって金を守る
死後も金銭に執着するというたとえ
蛇の如く、鳩の如く
人生は賢く、温和であれ 聖書マタイ伝より
蛇も一生、蛞蝓(なめくじ)も一生
人の運命はそれぞれ
参考文献:十二支(えと)の動物たちの生き方辞典 加藤廸男 著 日本地域社会研究所