虎(寅)に関することわざ・慣用句・格言
・虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎の子を得るためには、危険をおかしてでも虎の住む穴に入らねばならないことから、危険をおかさなければ大きな成功や功名は得られないというたとえ。
・虎視眈々
虎が獲物を狙うようにじっと機会をうかがう様子。
・前門の虎、後門の狼
表門で虎の侵入を防いでいるときに、裏門からは狼が侵入してくるように、一つの災難を逃れても、またもう一つの災難が襲ってくるというのたとえ。虎口を逃れて龍穴に入る、前門に虎を防ぎて後門に狼を進むともいう。
・張り子の虎
張り子作った虎の人形のように主体性がなく人の言うことにただ頷いている人や、首を動かす癖がある人のこと。また、弱いくせに虚勢を張っている人見掛け倒しの人をあざけっていうこと。
・虎の尾を踏む
噛み殺されるかもしれない恐ろしい虎の尾を踏みつけるような非常に危険なこと、危険をおかすことのたとえ。
・虎の威を借る狐
他人の権力に頼って、威張る小者のこと。英語では「ライオンの皮を羽織ったロバ」が同義。
・虎の子
虎がその子を大事に守り育てることから脾臓とする金品など大切にして手放さないもののこと。
・虎は死して皮を留め、人は死して名を残す
虎は死んだ後その美しい毛皮が珍重され、人が死んだ後に名前を残すような生き方をすべき、人は名誉を重んじることが大切だという教訓として言われるというたとえ。
・虎口を脱する
虎の口のように危険な場所、危険な状態からやっとのことで逃れることのたとえ
・千里の野に虎を放つ
千里四方の野原に虎を野放しにするように、災いのもとになる危険なものを放置するというたとえ
・虎の巻
芸事などの秘伝の書や講義などの元となった本のこと。また、教科書の内容を解説した参考書のこと。中国の兵法書「六韜(りくとう)」のうちの一つ、虎韜の巻から出た語。
・猫は虎の心を知らず
外見は似ていても、猫には虎の心がわからない。
小人物には、大人物の考えは理解できないというたとえ。
・猫にもなれば虎にもなる
相手や状況しだいで、おとなしくもなれば凶暴にもなるということのたとえ
・三人虎をなす
町に虎が来るはずもないのに三人がそういえば嘘も本当のように聞こえること。流言飛語の恐ろしさ。
参考文献:十二支(えと)の動物たちの生き方辞典 加藤廸男 著 日本地域社会研究所
世界の故事名言ことわざ総解説 自由国民社 江川卓 他著
ことわざと故事・名言 分類辞典 編者 野本拓夫 株式会社 法学書院