酉(鳥)に関することわざ・慣用句
・鶏口となるも牛後となるなかれ(鶏口牛後)
大きな集団の中で尻にいて使われるよりも、小さな集団であっても長となるほうがよいということ。
・燕雀安知鴻鵠之志哉(燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや)
燕や雀などの小さな鳥には鴻や鵠のような大きな鳥の志は理解できないという意味で、小さな人物には大きな人物の志は理解できないということのたとえ。
有名な逸話:石田三成は処刑の前に湯を求めたところ代わりに柿を勧められるが「柿は胆の毒ゆえ食わぬ」と拒絶する。「今から死ぬ者が何を言うか」と笑われるが「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」と言ったとされる。
・鶏群の一鶴
多くの凡人の中に、一人だけ抜きん出てすぐれた人がまじっていることのたとえ。
・鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん
小さなことを処理するために、大人物を用いたり大げさな手段を取る必要はないということのたとえ。また、適用の仕方が正しくないことのたとえ。
・比翼の鳥
夫婦・男女間の情愛の、深く仲むつまじいことのたとえ。
・一石二鳥
一つのことをして、二つ以上の利益を得ることのたとえ。
・烏合の衆
まとまりのない寄せ集めの集団のこと
・梅に鶯
取り合わせのよい二つのもの、よく似合って調和する二つのもののたとえ。仲のよい間柄のたとえ。
・立つ鳥跡を濁さず(飛ぶ鳥跡を濁さず)
立ち去る者は、見苦しくないようきれいに始末をしていくべきという戒め。また、引き際は美しくあるべきだということ。
・鶴の一声
大勢で議論しているときに、否応なしに従わせるような有力者・権威者の一言。
・鶴は千年、亀は万年
長寿や縁起を祝うときのことば。
・鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)
平凡な親からすぐれた子供が生まれることのたとえ。
・飛ぶ鳥を落とす勢い
威勢・権勢がきわめて盛んなさま。
・能ある鷹は爪を隠す
才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしないというたとえ。
・掃き溜めに鶴
つまらないものの中に飛びぬけてすぐれた者や美しい者がまじっていることのたとえ。
・鳩が豆鉄砲を食ったよう
突然の出来事に驚いて、目を丸くしているさま。
・焼け野の雉子、夜の鶴
子を思う親の情愛が深いことたとえ。
・鵜の目鷹の目
熱心に物を探すさま。またそのときの鋭い目つき。
・鴛鴦の契り
夫婦の仲がよいことのたとえ。仲のむつまじい夫婦の関係を結ぶこと。
・閑古鳥が鳴く
人が集まらずものさびしい様子。特に商売などがはやらず、さびれている様子をいう。
・雉も鳴かずば撃たれまい
余計なことを言ったばかりに、自ら災いを招くことのたとえ。
・鳶に油揚げを攫われる
自分の大事なものや手に入れられると当て込んでいたものを、不意に横からさらわれることのたとえ。また、奪われて呆然としている様子のこと。
・越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く
故郷の忘れがたいことのたとえ。
・足下から鳥が立つ
身近なところで意外なことが突然起きること。また、急に思い立って慌しく行動を起こすこと。
・烏兎匆匆(うとそうそう)
月日の経つのが慌ただしく早いさま。
・鴨が葱を背負ってくる
うまいことが重なり、ますます好都合であることのたとえ。
・烏の行水
入浴時間がきわめて短いことのたとえ。
・竹に雀
取り合わせの良い一対のもののたとえ。